中沢良平のブログ

民間企業勤務後、私学と公立の教壇に立つ小学校教諭が日々思ったことをつらつらと綴ります。

承認欲求とどう付き合うべきか

承認欲求の扱いは、現代日本の最大の問題のひとつではないでしょうか。どう考えても、江戸時代のお殿様よりも快適な生活を送っているのに、悩みは尽きない・・・。

自己実現」や「分不相応なセルフイメージ」を植え付けられているからでしょう。

現代社会は、欲望すら誰かから与えられています。文化産業や広告産業は、絶えず良いセルフイメージを提案してくる。もっと美しくなりましょう。食べるのを控えて。もっと食べて。もっとお金持ちになりましょう。住宅ローンや教育ローンを組みましょう。等々。

みんな自由という可能性に踊らされて、翻弄されています。これは、あなたが望めば手に入れられますよ、と。

これらの産業は、あなたの心に入り込んで、あなたのセルフイメージを作り上げていきます。

もう少し、そういったことに自覚的になれれば、わたしたちも平穏に生きられると思います。

私立小学校の日常 採用編

私立小学校に勤務していたので、聞かれることが多いです。国立小学校に勤めていた友人も多いので、それも聞かれます。

今回から、あまり知られていない私立小学校の日常についてお伝えできたらと思います。

まずは、採用に関してお話したいと思います。採用は、公立学校ほどおおっぴらに行われていませんが、いちおうHPなどで公募されています。

ぼくの勤めていた学校は、それなりの由緒ある私立大学の付属小学校だったので、書類審査から始めると少なくとも100倍はあったらしいです(らしいというのは、管理職から「それくらいかなぁ・・・」と聞いたからです)。というわけで、公立小学校と比べたら、かなり狭き門です。

だいたいが、公立小学校でかなりの実績のある人が採用されますが、民間企業経由の新任教諭という私のように変わり種もごくごく少数います。

ふつうに所定の形式の履歴書を送り、それが通ったら、指定された日に学校に行きます。SPIのような筆記試験をやったり、管理職の前で模擬授業(授業の一人芝居)をやったり、面接を受けます。

ぼくの場合は、模擬授業の出来はともかく、民間企業(とくに大きい企業勤めだったので)のいろいろを面白おかしく伝えて、管理職や人事の方々の興味を引いたようです。

というわけで、応募からだいたい一か月後に採用の内定が出ました。

人気の私立小学校は、けっこう狭き門です。なぜ採用されたのか、いまだに不思議ですが。

実際、入ってみると、保護者の方々の学校への期待はとても大きく、なかなかたいへんだったのですが、それはまた次回のお話で。

私立・国立小学校合格マニュアル入試準備号 首都圏 2019年度

私立・国立小学校合格マニュアル入試準備号 首都圏 2019年度

 

中動態の世界

東京で行われた調査では、認知症老人の半数近くに周辺症状がみられたといいます。自分のやってもらいたいことを上手く伝えられない、あるいは看護者が一方的に介護のやり方を決めてしまうことに対するいら立ちが、周辺症状という形で表われるようです。

これは能動態と受動態が対立したまま、コミュニケーションが成立していない状況ということになります。逆に、能動態と受動態がうまくかみ合えば、認知症老人も心安らかになれて周辺症状も減るはずです。國分功一郎さんは、能動態でも受動態でもない「中動態」があって、濃密な人間関係が上手に機能するには、「中動態」が不可欠と言っています。

認知症老人と介護者あるいは乳児と母親の間に成立する中動態は、言葉を介して行われることもあるけれど、究極的には共感力の問題です。マニュアルや法律とも無縁の世界です。

「中動態が大事ですよ」と法律に書いても中動態が尊重されるわけではないです。

がんの末期に痛みや呼吸困難を訴えて、もはや助かる見込みがない人に、鎮静剤を投与して、眠ったまま最期を迎えてもらう処置は、患者と家族と医療者の間の暗黙の合意によって行われている安楽死です。

いい加減と言えば、いい加減ですが、患者と介護者の間の阿吽の呼吸で行われる、「中動態」の決定です。 

君たちはどう生きるか

これはダメです。

「自分の生き方を決定できるのは、自分だけだ」っていう時点で、もうダメです。自分の生き方なんて、自分で決定できませんからね。決定するのは運や偶然です。

自分がコペルニクスだと思っている時点で、まちがえているんです。

自己啓発的に承認欲求を刺激して、なんにでもなれるのだとあおるのは、罪深いものです。 

漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか

 

みんなちがって、みんなダメ

わたしたちが読む本で、問題なのは、自己啓発本とビジネス本です。「東大」とか「ハーバード」とか「一流は」とかはいかがわしいですね。

そんな書面をつける神経をもった人間を信用してはいけないのでしょう。

もちろん、人脈を作る会や名刺交換会もくだらないですし。

「バカ」とはどういうことか。それは基本的に自己認識の問題です。自分自身が思っている自分と、実際の自分とがちがうことに無自覚だということ。

ちょっと能力の高いミミズが「自分はヘビだ」と勘ちがいして、カエルを食べに地上に出たら、ぎゃくに食べられてしまったというお話です。

自由とか民主主義とか公平とか福祉といったことは、みんなが働くことによって経済活動が活発になることによってのみ、その結果「部分的」に成り立つ「ぜいたく品」「実現されたことのないもの」だということには、はやく気づいてほしいですね。 

みんなちがって、みんなダメ

みんなちがって、みんなダメ

 

 

教員にも役立つ 食事ハック

食事や健康といった分野に、最大限テクノロジーを活用するという考え方が入っていることですかね。食材の調達はネット通販で、調理は家電に任せれば時間と手間を大幅に削減できます。これだけテクノロジーが私たちの生活を変えているのに、なぜ料理はいまだに鍋とフライパンを使い、人が火加減を調節するマニュアル調理をしているのかというのがこの本の出発点です。

そうはいっても鍋やフライパンを使った方がおいしいと感じてしまいます。なぜなら、調理家電を使うのはなんとなく手抜きをしているようにも思えてしまいます。これまでの自分たちのやり方や努力を否定することになってしまう気もします。
残念なことに、従来の調理法でおいしい料理を作れるまでの手間と時間をかけられる人は今や一部の人に限られてしまっています。

手作り品質のばらつきの大きいものはありません。調理家電を手に入れるにはそれなりの費用がかかりますけど、結局安くつくのです。

経済効果だけでなく、おいしさと健康を同時に成立させるという考え方は傾聴に値します。

自宅では食事に気をつけていても、社交のための外食は楽しむというスタンスなので、バランス感覚もあります。今まで興味がなかった人でさえ調理家電の購入を検討したくなると思います。

勝間式 食事ハック

勝間式 食事ハック

 

教員にも役立つ 鴨長明の遅咲き人生

方丈記」で知られる鎌倉時代文人鴨長明は、勤務先の下賀茂神社では閑職に追いやられて、妻子にも愛想を尽かされて離縁されました。

嫌なことが重なり、50歳の時に忽然と職場から姿をくらまし、山中に隠遁しました。好きな和歌や音楽に没頭しました。

長明は、京都の日野の山中に籠って、自分で設計した組み立て式で移動可能な庵を建てました。広さは3m四方で、高さは2.1mぐらい。うとましい組織や人間関係を断ち切ることで、心は解き放たれました。

最晩年の4年間で、それまでに蓄えた知識や深めた思想を文章にしたため、「方丈記」など後世に残る文章を残しました。62歳で方丈の家でひとり死を迎えました。

こういう人生もありかもしれません。 

遅咲きのひと―人生の第四コーナーを味わう

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